マンハッタンの片隅の、気さくな学際交流会

2018年2月16日 19:00

【2月】勉強会開催

2018年02月16日 19:00

【2月】勉強会を開催しました。
たくさんのご参加、ありがとうございました!

 

「恐竜時代の環境変化とその生態系への影響」

池田 昌之さん (Columbia Univ. Lamont-Doherty Earth Observatory)

今から2億2千万年前の三畳紀、NYは恐竜や爬虫類が闊歩する超大陸パンゲア中央の巨大な湖の周辺に位置していました。ハドソン川右岸の崖は2億年前の溶岩で、この火山活動が生物の大量絶滅事変を引き起こしました。この絶滅事変を生き残った恐竜は大型化・多様化し,その後のジュラ紀・白亜紀に大繁栄します。

近年、化石を産する地層の鉱物、元素、同位体比組成から、当時の降水量や大気CO2濃度などを推定できるようになり、過去の気候とその変動メカニズムが明らかになってきました。さらに、世界各地から恐竜等の化石が相次いで発見され、当時の生物相の分布やその変化も復元されつつあります。今回は、これらを比較することで、当時の環境変化が生態系に与えた影響についてお話します。

 

「細胞の分化・成熟と膜ダイナミクス」

大津 航さん (Weill Cornell Medicine)

多細胞生物では、ひとつの卵細胞から個体が発生していく過程で、分裂によって増殖した細胞が分化・成熟し、それぞれ独自の性質を獲得していきます。生体膜はリン脂質とタンパク質を主成分としており、膜上の細胞特異的なタンパク質は、その細胞の形態や機能に重要な役割を担っています。細胞が新しい膜を産生し、既存の膜と組みかえていく上で重要な役割を担っているのが、小胞体やエンドソームといった膜オルガネラ(小器官)です。遺伝子変異により作りだされる異常なタンパク質は、膜オルガネラの動態に影響を与え、それが病気に結びついていることがわかっています。 

今回の講演では、赤血球や腎臓、網膜における膜と病気の関わりと、 細胞内で膜が創り出す多彩な世界の魅力について紹介したいと思っています。