マンハッタンの片隅の、気さくな学際交流会

2017年3月10日 19:00

【3月】 勉強会開催

2017年03月10日 19:00

【2月】勉強会を開催しました。
たくさんのご参加ありがとうございました!


「重力波で見えた不思議な世界」

仏坂 健太さん (Center for Computational Astrophysics

2015年、人類は重力波を発見しました。そこから、

重力波を使って宇宙を調べる重力波天文学が始まりました。

この講演では、重力波とは何か、そこから見えたブラックホールの性質、

また将来、重力波天文学から、我々は何を知ることができるのかなど、

重力・宇宙物理学の歴史から最新の研究まで紹介しようと思います。

2017年のノーベル物理学賞候補として最もホットなテーマが重力波です。
重力波の観測計であるLIGOは、3キロメートルに渡る巨大な装置であるにもかかわらず、そこでキャッチされる重力波は非常にミクロなサイズとのこと。
その機械の精密さには一同驚嘆し、講師の巧みな話術も相まって、好奇心旺盛な質問の飛び交う活発な一時となりました。
広い宇宙のどこかで1時間に1回は起こっているというブラックホール同士の衝突が、近い将来、天体望遠鏡でキャッチできるのでは? と子供のようにわくわくする講演でした。


「現在のアメリカの医学教育」

森口 陸さん  (Albert Einstein College of Medicine)

アメリカで医療の分野で活躍する為には、病が体に影響をもたらすメカニズムだけではなく、最新の研究結果を理解し、その内容を同僚や患者さんに伝えるコミュニケーション能力を兼ね備える必要があります。

次世代の医者や研究者を育てるアメリカの医学大学は、どのようなプロセスを経て学生を選考しているのか。また、どのような方法で医療の世界で必要とされている多様な能力を養っているのか。

今回の発表では、現役医学生の目線からアメリカでの医学教育の実態をご紹介させていただきます。

アメリカと日本の大学では、システムのどんな点で違いがあるのだろう?
それを実体験に基づいて、現役学生である講師が説明した本講演は、日本で大学を出た聴衆一同にとってとても興味深いものでした。
アメリカの大学のフレキシビリティに憧れ、競争ではなくコラボレーションで学問を磨くスタイルに驚嘆する。
一方で、医学生の過酷な授業スケジュールや試験内容には恐れをなしました。

サイエンスそのものを扱う講演ではありませんでしたが、サイエンスを巡る環境には、サイエンティストなら誰もが興味津々です。
また機会があれば、こうした講演も行っていけたらと、幹事は考えています。

ご講演ありがとうございました!