マンハッタンの片隅の、気さくな学際交流会

2016年10月28日 19:00

【10月】勉強会開催(ノーベル賞解説)

2016年10月28日 19:00

【10月】ノーベル賞解説特別回を開催しました!

自然科学分野のノーベル賞を受賞した研究について、専門分野が近いメンバーに解説してもらいました。
解説対象となるタイトルは以下のとおりです。
解説者の皆さん、ありがとうございました!

ノーベル生理学・医学賞

大隅良典氏
「オートファジーの仕組みの解明」

解説者:幾井 恵見さん(CUNY Brooklyn College)

生物学の中でも基礎研究中の基礎であるオートファジーの仕組みだけでなく、大隅先生のフランク且つ丁寧なお人柄や、なぜ酵母が研究に使われるのか等、広く楽しく語っていただきました。
90分で1回分裂する酵母は、遺伝子の構造という点から見ればヒトに近い生物なので、モデル生物として優秀な存在なのだそうです。
「発芽酵母のこの丸みが愛おしくてたまらない!」とおっしゃる幾井さんの満面スマイルがとても印象的でした(そういう研究者のかた、大好きです!)。


ノーベル物理学賞

Dr. David J. Thouless
Dr. Duncan Haldane 
Dr. Michael Kosterlitz 
「物質のトポロジカル相とトポロジカル相転移の理論的発見 」

解説者:広野 雄士さん(ブルックヘブン国立研究所) 

数学の一分野としてメジャーな「トポロジー」という概念を導入した理論物理学のお話でした。
そもそもトポロジーとは何か。
二次元では起こらないとされる相転移が、トポロジカル相転移だったら起こり得るとはどういうことか。
そうした一つ一つについて、丁寧に解説していただきました。
「渦が大好きなんです!」とおっしゃる広野さんの満面スマイルがとても印象的でした。


ノーベル化学賞

Dr. Jean-Pierre Sauvage
Dr. Fraser Stoddart
Dr. Bernard Lucas Feringa
「分子マシンの設計と合成」

解説者:岩田 隆さん(Columbia University, Chemistry)

物性を示す最小単位である分子を組み合わせ、収縮させたり回転させたりする技術が「分子マシンの設計と合成」。
鎖様の構造を効率よく作ることに成功した後、「きれいでおもしろい形」を求めてオリンピックの輪っかのようなものを作った話や、酸と塩基の切り替えでエレベーター的な動きをするモノ、そしてモーターのように一方向に回転するモノなど、まるでナノスケールのレゴブロックやプラモデルみたいでした。
受賞された先生方は研究が楽しくて仕方なかったんだろうなと感じられる、わくわくする解説でした。