マンハッタンの片隅の、気さくな学際交流会

2016年6月4日 16:00

【6月】勉強会開催

2016年06月04日 16:00

【6月】勉強会開催しました。

 

「哺乳類骨格筋細胞の特徴と加齢変化」

宮田 浩文 教授(山口大学大学院医学系研究科/農学部生物機能科学科)

横隔膜筋は哺乳類にとって、呼吸運動に特化した唯一無二の筋である。
呼吸運動は寝ている間も継続されるから、その活動量は他の筋に比べ圧倒的に高いはず。
だから,持久力のある遅筋細胞(有酸素性代謝能力が高く,収縮は遅い)で構成されていると信じられている。
まずはこれらの横隔膜の特徴について,体重30グラムのマウスから体重3トンのゾウの陸生哺乳類において検証する。
また,体重が10万倍も違えば筋細胞の質と量はどれくらい違うのか,そんな中学生の夏休み自由研究で思いつきそうな疑問について、主に組織・生化学的に検討した結果を報告する。
横隔膜の研究はポスドク時代(Mayo Clinic, USA)から,各種動物のサンプリングは10年ぐらい前(山口大学獣医学科と共同研究)から趣味的に進めている。

そんな研究の中で,直立姿勢・2足歩行の我々はきっと何か違うはず,そしてその特徴は我々の加齢変化にも関連しているかもしれないと思うようになった。
神経筋接合部の構造変化,筋原性前駆細胞の活性化などをキーワードに,最近の実験結果を報告する。
最後は,我々がさらに高齢者になっても姿勢よく歩けるために何をすべきかについて,ヒトを対象にして行った実験に基づきお話したい。
 
 
「筋肉を比較する」という一貫したテーマの下、ヒトの陸上選手に始まり、いろいろな動物、いろいろな部位の筋肉(ゾウの鼻の筋肉まで!)が登場。
日頃は決してお目に掛かることも耳にすることもない筋肉の世界は非常に興味深く、専門的・日常的・迷信的と、多様な質問が飛び出しました。

「エキセントリック収縮によって脚の遅筋を鍛える」ことが肉体の老化防止につながると、運動生理学の見地に基づいて結論づけられました。
それを実践するための「大きな歩幅でウォーキング」を早速実践してみることにします。
 
 
ご講演ありがとうございました!